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オイラに何か用お?」と尋ねた

2021年03月07日

オイラに何か用お?」と尋ねた。モンタは何も言わない。指をくわえたまま、ロキを見詰めるだけである「腹減ってるのかあ? 何か食べるう? ところで名前は?「モンタ。」ロキがそう言うと、モンタは指をくわえたままニンマリと笑った。ロキもニンマリと笑い、モンタの手を取って黙って自分の部屋に連れて行った。この一幕を鍛練をしながら、ハンベエは眼の端で見ていた。(浮浪児か、随分と汚れているなあ。)まさか敵の回し者とは露知らぬハンベエ、何と無くそう思っただけである。七歳ほどの子供が十五歩ほど距離を置いてじっとロキを見詰めていた。薄汚れた小汚いガキだった。子供はモンタだった。ホウゾインに言い含められて、何事かしにやって来たようだ。ロキは、はてな? とモンタを見詰め返した。しかし、知ってる顔では無いし、心当たりが無い。モンタは黙ってロキを見詰めている。良く見ると人差し指を寂しそうに口にくわえている。ロキは目をパチクリさせた後、モンタの前まで歩いて行き、「エレナ達の本隊はゆったりとした行軍でまだ着きそうにも無いようであった。ロキは『キチン亭』の前で、所在無い様子でハンベエの鍛練を見るともなく見ていた。" Органический уход за кожей набирает популярность 新しい肌が来る前に古い肌を落とさなければなりません"が、頭は別の考え事をしているようだ。今後の商売の事でも考えているのだろうか。ふと視線を感じてロキはハンベエから自分の背後に眼を移した。一派の調査を命じてから、真っ直ぐ『キチン亭』に戻っていた  ロキの部屋でモンタはガツガツと食べ物に食らい付いていた。ロキが宿に注文して一食分取り寄せたのである。ところが、モンタはその食いっぷりからしたら、瞬く間に一食分平らげてしまい、更にお代わりまで要求しかねない勢いであったのに、半分ほど食べたところでピタリと手を止めた。そうして、ロキの目をじっと見詰めて、「残り、持って帰る。」と言った。「持って帰る? ねぐらは有るんだあ。一人でいるのお?」「仲間、みんな、お腹空かせてる。」 モンタはたどたどしい口調で言った。「・・・・・・ようし、分かったよお。みんなの分は今から『キチン亭』に言って作ってもらうから、その分は安心して食べなよお。」ロキは殊更明るい声で、モンタに言った。任せとけ、とポンと胸を叩かんばかり。それを聞くとモンタはニコッと笑い、凄い勢いで食事を再開した。モンタが丁度食事を終えた頃、ハンベエが部屋に入って来た。「小汚ねえガキだな。」ハンベエはモンタを見ると、笑いながらロキに言った。「ハンベエ、そんな言い方ないだろお。」ハンベエの言葉にロキがムッとした表情で睨み付けた。その一方で、ハンベエという名を聞いたモンタの顔が一瞬蒼ざめた。「まあそう眼を三角にするな。風呂はまだ無理だが、湯を沸かして貰った。その子供洗っちまおうぜ。」「なるほどお」モンタにとっては、災難だったかも知れない。逆らいも出来ず、ロキとハンベエに無理矢理行水をさせられてしまった。行水が終わるとハンベエが『キチン亭』の亭主に頼んで貰い受けた、新品ではないが、モンタの着ていたボロに比べれば、ずっと綺麗な子供服に着替えさせられた。「すっかり、見違えたよお。」とロキが御満悦の笑みを浮かべた時には、十食分の食事が重箱に詰められ、風呂敷包みで、『キチン亭』から届けられていた。「よし、行くか。」とハンベエが立ち上がると、モンタがロキの陰に身を隠すようにしてその袖を引いた。「お兄ちゃんだけ。」とモンタは又もロキをじっと見詰めた。ロキはモンタとハンベエの顔を交互に見たが、困ったように八の字眉毛になって、ハンベエ、モンタは何だかハンベエの事怖がってるみたいだから、オイラ一人付いてくよお。」と言った。ハンベエは立てた親指を振って、ロキに部屋の外に出るよう合図した。そして、モンタに聞こえないようにロキに言った「あの子供、俺の名を聞いた途端、顔色が変わった。まさかとは思うが。」「ええー、・・・・・・まさか・・・・・・でも・・・・・・仮にそうだとしても、あいつは昔のオイラなんだ。邪険に出来ないよ。



Posted by Alicia McKenzie at 02:46│Comments(0)
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